妄想 アリとキリギリス
働き者のアリたちは、外で真っ黒になっていた。
一方、歌って暮らすキリギリスは、白さを通り越して
透明感のある肌色だ。
最低賃金が低めに固定化され、残業も減り、
正規雇用から期間雇用など雇い主に有利な
時代の流れに翻弄されるアリたち。
それをしり目に、キリギリスは歌がCDで売れた。
働かなくても安楽だ。
今、地上に疫病がまん延している。アリたちはテレワーク。
自分の巣穴でネット環境を駆使して働く。
賃金は「持続可能」なんとかという給付金が振り込まれ、
支払いはクレジットやスマホ決済。
動画で自分のダンスなどをアップしてイイネをもらい、
副収入を増やすアリたち。
地下の生活が長引いて日に当たらないから「シロアリ」になった。
キリギリスは、パソコンで動画が無料で見れるし、
CDが売れない。疫病でコンサート・ライブ収入も減った。
空が飛べるから、巣穴のアリたちに食料を配達するバイトに
手を染める「働きキリギリス」も出現。
高速で空を飛べる昆虫ドローンのようだ。
「体を動かしてお金を稼ぐ喜び」という、
金銭以外の価値にも気づく昨今。
昆虫たちの疫病時代、今後も目が離せない。
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