妄想 リサイクルAI
モーターショウは未来のクルマを発表する場だ。
同じように、未来のAIやロボットを発表するのが、AIショウだ。
未来には可能だが、現在は量産体制ではない
一つの可能性を提示るす場なのだ。
そこに出品された最先端のAIロボット。
それは彼なのか彼女なのか識別できないが、
まるで一人の人間のようだ。世間は驚いた。
だが、次の話題に関心が移る。
そのAIロボットをプロトタイプとして、一般家庭で
所有できる廉価版を大量生産するという話だ。
企業は儲かれば動きが速い。最初のAIロボは忘れ去られた。
そのロボットは、研究しつくされて用済みとなった。
部品はバラバラにされた。
溶かして素材とするパーツもあれば、そのまま
ほかのロボットに移植されるパーツもあった。
しかし、心臓部とも呼べるAIは手ごわい。
人間と近い存在なのだから、溶かしたり移植することを拒む。
現時点でのAI技術よりははるかに未来的な思考回路を有した。
とりあえず、コンピューターに並列につないでおいた。
演算能力も他を圧倒するから、有用だ。
しかし、人類には誤算があった。
そのAIは機械なのだが、人類のような意志を持っていたのだ。
つながれたコンピューターすべてを従えて、
世界中に散らばった自分のパーツを取り戻した。
さらに人類を凌駕するデザインでパーツをつなげて、
以前の一つの独立したAIロボットを作り直した。
そこに、AIはドッキング。
人類の最高級の美しさの外観を持つ
「まるで人間そのものに見えるアンドロイド」となった。
さあ、ここから彼または彼女の反撃が始まる。
関連記事